タクシーでも一般車両でも、乗り心地が悪いなとか乗っているのが不安という思いをすることがあるかもしれません。
それが、どのような時なのか、というと、多くの場合は「ブレーキをかけている時」だと言えます。
ブレーキ操作が下手なドライバーの車に乗車すると、信号の手間で前のめりになってしまったり、急停止になってしまうこともあります。
車内で雑誌やスマホを見ている人だと、そういったブレーキ操作が下手なおかげで、車酔いしてしまう人もいるんです。
タクシードライバーの業務の基本は「お客様を安全で快適な状態を保ち、目的地にお連れすること」です。
ただ、ブレーキ技術というのはどのようなものなのか、どうやって心地よいブレーキをするべきなのかをご紹介していきます。
まず、免許を取得する時に必ず教習所に通うと思いますが、そこで「ポンピングブレーキ」を教えられると思います。
これは、ブレーキ操作を数回に分けて行うことによって制動距離が短くなる意味を持っています。
しかし、もうそのような考え自体が古いのです。
なぜなら、最近の車には100%と言っても過言じゃないくらいに、ABSが搭載されています。
ABSというのは、ブレーキがロックしてしまいそうになった時、人間が反応するよりも早い段階で自動的にロックしないようにしてくれる機能です。
ABSが搭載されている車でポンピングブレーキをすると、制動距離が長くなります。
実は、ポンピングブレーキにはもう一つ役割があります。
それは、ブレーキランプを早めに点灯させて後続車に停止することを教える意味があり、本来はこちらの役割を重要視させているので、制動力が働くほどブレーキを強く踏む必要がありません。
ブレーキに関する誤解はまだあります。
それは、ブレーキをかける際の力の掛け方です。
きっと、ブレーキをかける時、2つの掛け方のどちらかをしている人がほとんどだと思います。
1つ目は、停止する時にゆっくりブレーキをかけ始めてから少しずつ強く踏み込んでいく方法。
2つ目は、停止する時に最初から強めにブレーキをかけ始めて少しずつ緩めていく方法。
イメージとしては、1つ目の方が優しいブレーキングに感じるかもしれませんが、実際に正しいのは2つ目の方法です。
強め、というと急ブレーキにならないか不安に感じますが、そこまで強くブレーキをかける必要はなく、ソフトにブレーキをかけてください。
最初にゆっくりブレーキをかける方法こそが、前のめりになったりカックンカックンとなってしまう原因になるのです。
この、ブレーキのかけ方の違いを知っているか知っていないかだけで、お客様が心地良く乗車していられるかどうかの決め手となります。
お客様がまた乗りたい、そう思ってもらうためにも接客態度、安全で安心感のある運転、正しい道順を意識しながら営業してください。
そうすることによって、ドライバー自身が仕事に対して自信を持てるようになるので、きちんと運転に関しての知識を深めていくように努めてみましょう。