タクシー転職大学では各項目の授業を質疑応答形式で行った内容を記事として公開しています。転職の参考にしてください。

－タクシードライバーの賃金形態を教えてください。

小池教授－タクシー業界の賃金形態は歩合制なんですが大きく分けてAB型とB型賃金があります。AB型は通常の歩合と賞与の歩合が分かれていて賞与の歩合分は毎月プールされ6ヶ月や４ヵ月に１回支給されます。また、A型賃金という固定給の賃金もあるようです。

B型賃金は賞与という枠がなく売上のすべての歩合が毎月支給されます。賞与はありませんがAB型の通常歩合と賞与歩合を合わせた歩率とB型の通常歩率では双方で格差がほとんどないので見方としましてはB型はAB型と違って賞与が含まれたすべての歩合が毎月支給される形になります。

タクシー未経験の方は賃金形態の詳細を知らないので希望はないですが毎月すべて支給されるB型賃金は方が良いという人が多いと思いますがお金を貯めたい方は、AB型の賞与がある方も良いと思います。

■事故を起こしたらどうなるの？

－タクシードライバーですから当然車を運転している中で事故を起こす可能性もあると思います。事故を起こした場合の給与面での決まりはありますか？

小池教授－どこのタクシー会社でも万が一事故を起こした場合の乗務員に対してのペナルティが適用されている会社はあると思います。無事故手当があって事故を起こした場合は無事故手当が支給されないというケースの会社もあれば上限はあるけど給料や賞与から差し引く形で負担させるという場合もあります。上限は3～5万円前後という会社が多いみたいです。

■交通費は支給されるの？

－交通費は別途支給されますか？

教授－交通費に関しては比較的に別途支給しているタクシー会社の方が少ないと思いますよ。歩合に含まれているケースがほとんどだと思います。ただ隔日勤務の場合はですけど出勤日数が月に11～12日間しかないので一般的な業種よりかは交通費の負担は少ないと思います。

■売上によって給料が変わる！教授の平均売り上げは？

－毎月の売上を教えてください。

小池教授－もともとは隔日勤務で働いていたんですがコロナの影響で夜働くのは効率が悪いので現在は朝から夕方まで働く日勤で乗務しているんですが月間で60万円くらいです。

1日の売上ですと日勤で2万5千円～3万円くらいです。コロナ前だと70～80万円くらいは売り上げていました。1日の売上ですと隔日勤務で6万以上でしたね。

－1日の乗車回数は大体どのくらいですか？

小池教授－隔日勤務で大体40回前後で忙しい時は50回超えますね。

－1回乗車の平均売り上げは？

小池教授－感覚的ですけど千円ちょっとくらいだと思います。無線配車のお客様の方が単価は高いですね。給料はその毎月の売上に対して決められた歩率を掛けた数字になります。

大体のタクシー会社での歩合率は60％前後だと思います。毎月の売上によっては別途手当を支給している会社もあるようです。

■休日出勤はお得！？

小池教授－タクシー業界の勤務形態は隔日勤務ですと既定の勤務日数が月間で11乗務だとしたらプラスで1乗務日公休（休日）出勤が可能なんですが公休出勤時は通常勤務時よりも歩率良いのと日払いで支給してもらえる場合が多いです。当社も公休出勤時は歩率が高くなります。

■有給ってあるの？

－タクシードライバーの仕事もちゃんと有給休暇ってあるんですか？歩合制ですが有給時の1日の支給金額はどうやって決まるんですか？

小池教授－タクシー業界でも当然有給休暇はちゃんとあります。給与金額の決まり方は過去の自分の1日の平均売上から算定されます。健康保険の標準報酬日額（4・5・6月の平均賃金が算定対象月）だったり、直近３ヶ月の平均賃金の日額がになります。

有給ってタクシー業界に限らず取りづらいという声が多いですがうちの会社はそんなことはなく普通に取らせてもらえてます。

■タクシーの給与形態のメリット、デメリット

－AB型、B型賃金に関わらずタクシー業界の賃金形態のメリットやデメリットはありますか？

小池教授－メリットは歩合制ですから単純に頑張ったら頑張った分だけ稼げるところですね。逆に言えばどれだけ頑張っても売上が上げられなければ稼げないという部分はデメリットでもあります。

そこは普通のサラリーマンと違いますね。売上を上げるために自分で工夫などして稼ぐというやり方はとてもやりがいがあります。タクシードライバーになる前は葬儀屋で働いていたんですがその時は自分より働いていないのに先輩というだけで給料が高かったりと年功序列的でしたがタクシーは完全に実力仕事なんで自分に合っている職業だと思っています。

■地理を覚える＝売上アップ！

－タクシー歴が15年ということですが未経験でスタートした時から現在までの間で売上はどのように上がっていきましたか？

小池教授－最初の頃はやっぱりコツも分からなかったし何より地理が全然分からなかったんで売上を上げられませんでした。

地理を覚えることが売上を上げるポイントなのでまずは自宅に帰る前にコンビニに寄ってその日の日報をコピーして（当時は手書きの日報だった）分からなかった道を地図と照らし合わせて鉛筆でなぞったりしてもっと最短距離で行ける道を把握したり首都高速に関しても入り口はあるけど出口がない場所があることなども勉強しました。

地理を覚えていくことと比例して売上も上がっていったと感じています。地理が分からないと行動範囲が狭まります。地理が分からないエリアに行くと不安だからといってメーターを回送にして自分が地理を把握しているエリアに戻ってこようとしてしまう人がいますがその間って本当はお客様を乗せられるわけだから時間を無駄にしてしまっているわけです。

でも地理が分かっていればどのエリアに行ってもその場で乗せられますので効率が良いです。

■やり方次第で給料は安定する

－タクシーは歩合制で売上も当然日によって異なると思いますがそうなると給料も安定せず毎月上下の波があるんだろうなと感じるんですがどうですか？

小池教授－確かに多少の波はあるので不安な部分もありますが私は毎月家庭の生活費として渡さなくてはいけない金額が決まっていますがそのラインは毎月超えているし今後も超え続ける自信があるのと毎日同じようなやり方で勤務していれば売上もある程度安定しますので問題ありません。

その日その日で働き方を変えてしまうと売上も不安定になりやすくなってしまうと思います。小さなお子様がいらっしゃる方、介護をしている方、また持病がある方等は面接の時に相談し、条件が合えば安心して働くことができます。

■長距離客一発狙いは不安定のもと

小池教授－長距離のお客様ばかりを狙う営業方法は不安定な売上になってしまう原因だと思います。確かに当たればその日の売上はグンと上がりますがそればかりを狙ってコツコツ積み重ねるということをしないと安定はしないです。

私は無線配車を重視していますが経験的に無線配車の方が売上単価が高い場合が多いです。

■免停になったらどうなっちゃうの？

－タクシードライバーは運転のお仕事ですから当然運転免許ありきですが違反などをして免許停止になったしまった場合はどうなってしまうんでしょうか？

小池教授－免許停止になったら車の運転ができないので当然タクシードライバーとしての業務が出来なくなります。そうなると給料はどうなってしまうのかということですが三幸交通も含めてその場合は免停期間中洗車の仕事をしたり、お世話になっているLPガススタンドで働いている方もいます。

免停期間が1ヶ月間くらいだったらその間仕事を休んでしまうということもあります。

－ガソリン（LPガス）は自己負担なんですか？

小池教授－ガス代は全額会社負担です。これに関しては恐らくすべてのタクシー会社が同じだと思います。

■チップで副収入！

－昔のタクシードライバーはよくお客様からチップを貰えてたなんて話を聞いたことがあるんです今はどうですか？

小池教授－細かい金額ですけどいまでもありますね。チップというよりかはお釣りをそのまま頂く感じです。1日で平均すると500～1,000円くらいは貰ってると思います。最高で2万円頂いたことがあります！

－そんなに貰えるんですか？サプライズ感があっていいですね！

※記事の内容に関しまして
記事の内容のすべてが教授が在籍している企業の就業条件の内容を特定したものではありません。