三鷹交通が教えるタクシーメーターの使い方
教授名: 菅野 昭人
授業科目: その他
勤務先: 三鷹交通株式会社
勤務地: 東京三鷹市
タクシードライバーにおける基礎疾患や障害による採用基準
教授名: 長倉
授業科目: その他
勤務先: 株式会社越谷タクシー
勤務地: 埼玉越谷市
神奈川県のタクシー地理試験について
教授名: 若杉 信洋
授業科目: その他
勤務先: 北斗タクシー株式会社
勤務地: 神奈川横浜市
公開日:2021年07月21日
勤務地 | 東京足立区 | 勤務先 | 坂本自動車株式会社(足立営業所) |
職種 | 採用担当者 | タクシー歴 | |
プロフィール | 住宅販売の営業職を5年程経験した後、タクシー業界へ転職。二種免許と地理試験に合格した後、ドライバーとして乗務。現在は内勤社員として活躍中。研修の大変さが良く分かるからこそ、新人ドライバーには手厚いサポートを心がけています。 |
授業内容 【非表示】
タクシー転職大学では各項目の授業を質疑応答形式で行った内容を記事として公開しています。転職の参考にしてください!!
ーまずは、宮下さんが受けた研修内容を教えてください。
宮下教授ーまず始めに、東京無線には地理試験講習があって、地理試験とはどういう内容なのかという講習を受けます。次に5日間の東京無線の講習からタクシーセンターで4日間の研修。その3日目に地理試験があります。
なので、「東京無線の5日間の講習」と「タクシーセンターでの2日間の研修」で約1週間の講習を受けて地理試験に臨むような流れになります。
基本的に最初に地理講習をしてそれから東京無線の講習を受ける。ただ、地理試験の講習と東京無線の講習の順序が入れ替わることもあります。
次に事故対策機構で適性検査を受けるのですが、弊社の場合は二種免許取得のために通う金町教習所に適性検査の機材があるのでそこで一緒に受けています。
ー二種免許を取得するために教習所には通いになりますか?それとも合宿ですか?
宮下教授ー弊社の場合、自社で運営している金町教習所へ通っていただく形になります。最短7日~8日間程で卒業できるので、他の教習所で合宿へ行くのとほぼ変わらず最短での二種免許取得が可能なんですよ。
この8日間で、技能診断を終わらせて卒業になります。卒業証書を持ってタクシーセンターに行き、学科試験を受けます。
それに合格をしたら乗務員証資格の発行をし、社内研修という流れになります。教習所のおおまかな一日の流れとしては朝9時に始まって、夕方の4時に終わります。
間に空いているコマがある時は、学科試験のために自習をする時間になります。学科試験は1回で合格する人もいれば、2~3回で合格する人もいます。
ー二種免許の学科試験の問題はどのような内容が出るのですか?
宮下教授ー内容としては、一種の内容が7割で残り3割が二種の専門的な問題でバスとかタクシーとかでお客様を乗せたときの対応などが出題されます。
ー普通免許の問題が7割も出るんですね!
宮下教授ーそうですね。やっぱり基本ルールは一緒なのでプラスαで二種のことが聞かれるといった感じです。学科試験で印象に残っている問題があるんですけど、東京無線のルールでは空車の時でも車内では禁煙という規定があります。
学科試験にも「空車の場合、車内で喫煙してもいいか」という問題が出たんですが答えは〇なんですよ(笑)旅客自動車運送事業運輸規則で空車の場合であれば喫煙はしてもいいということになっているので、その問題にはひっかけられました(笑)
ー学科試験はひっかけ問題などは多いですか?
宮下教授ーもうひっかけ問題だらけですね(笑)なので、過去問を解いたり、あとは教習所でもよく出る問題の問題集が配られるのでそれで対策をしていましたね。満点を取れるまで過去問を解き直したのですが、僕は1回落ちて2回目で合格しました。
ー地理試験は難しいという声が多いですが、実際やはり難しいですか?
宮下教授ーそうですね、難しいですね。僕の場合は、YouTubeを活用して情報収集していました。例えば、語呂合わせとかですね。地理試験対策の講義という動画を上げているアカウントもあるので、そういったものを活用して勉強をしていましたね。
ー地理試験の勉強のため、全日本交通安全教育センターに行く会社もあると聞いたことがあるのですが?
宮下教授ー弊社はないですね。東京無線に行って地理講習会を一日かけて受けます。ただ、講習を受けるためにどちらもお金が必要なので、東京無線で講習を受けるのか全日本交通安全教育センターで講習を受けるのかという違いですね。
どちらで決めるのかは会社によって決まっています。中には、地理試験の講習自体を設けていない会社もあり、そういう場合は自分で対策するという形になります。
ー二種免許や地理試験の費用は会社負担ですか?
宮下教授ータクシー未経験の方ですと、地理試験の費用や二種免許の費用は全額会社負担してくれる企業がほとんどだと思います。弊社もそうですね。
ー御社は何回まで会社が負担してくれるとか決まりはありますか?
宮下教授ー決まりはあります。弊社は地理試験3回まで会社が負担してくれて、4回目以降は自己負担になります。
ー研修の中で一番辛かったことはなんでしたか?
宮下教授ー個人的には二種免許の学科試験が辛かったですね。暗記問題やひっかけ問題が多かったので大変でした。
ー研修中に特に注意しないとけないこと等はありますか?
宮下教授ーやはり地理試験も学科試験もタクシーを運転するために取得するものですが、その資格を持っている全員が同じクオリティというわけではないです。
そのため一番重要なのは、研修が終わって乗務している時のお客様への接し方なんじゃないかなと思います。ルールは研修でしっかり頭に入っていると思うのですが、実際ルール通りにいかない状況での柔軟さは大事かなと思うので、研修中から色々なケースをイメージトレーニングしておくと本番で役立つはずです。
ー研修の中で、トラブルがあった際の対処法なども習うのですか?
宮下教授ーはい、講習の中で教えてくれます。実際何か言われたときに、頭ごなしに「決まりなのでできないです。」と言ってしまうとお客様も納得はされないと思いますので、「こういう理由だからダメなんです。」というように理由をお話しすることで納得されるお客様は多いです。
ただ頭ごなしに理由も言わずダメと言ってお客様と揉めてしまうとその時間が勿体ないですし、その時間で売り上げも減ってしまいます。
タクシーの仕事は、お客様を迅速に送り届けて、目的地で降ろすまでが仕事なので、そういう細かい所も意識して営業をしていますし、しっかりと研修でも教えてくださいます。
ーお客様とのトラブルが起きたときの研修は東京無線でされているのですか?
宮下教授ー東京無線でもありますし、教習所の教官が「こういう事例がありますので注意をしてください」「こういう場合はこのように対応してください」といった研修もあります。
あと、タクシーセンターでもトラブルの研修は受けます。各タイミングで各担当者の方が気になった所を都度教えてくれるような感じです。
ー実際に乗務したときによくあるトラブルの講習もされているんですね。酔っ払いの方の対応の仕方とかもされるのですか?
宮下教授ーそうです。例えば、酔っ払いの方の言葉を100%真に受けて、お客様に「そのまままっすぐ行って」と言われて真っ直ぐ行くとお客様が目を覚ました時に「ここはどこだ!?」とトラブルになるケースはよくあるのですが、そのようなことが起きないようにしっかりと酔っ払いの方の対応の講習も受けています。
東京無線でもタクシーセンターでも各担当者の方から講習を受けます。対処法は基本的には同じですね。まずは確認をして、例えばお客様が「○○の交差点まで行ってくれ」と言われた場合、その交差点に差し掛かる前に声を掛けて、交差点の手前で降ろすのか交差点を渡って降ろすのかという確認をします。細かなことを心掛けることでトラブルを防いでいます。
ー研修の中で他に各担当者の方がこれは注意した方がいいとおっしゃっていたことはありますか?
宮下教授ー発進する前にお客様にルート確認をすることですね。「この交差点を曲がってこの通りでというようなルートで大丈夫ですか?」という確認は発信する前に必ずするようにと習いました。
たとえ、お客様に「ナビ通りでいいから」と言われてもナビを見せて「このルートで行きますね」という確認はするように習いましたね。
ただ、実際どんなにルート確認をしてもなかにはクレームになることもあります。何かあった場合やその場で解決が出来ない場合は会社に連絡するように乗務員の方には伝えてあります。
最近も他社の実例であったのですが、お客様を降ろしてドアを閉める際にお客様のサングラスが挟まってしまって「10万円弁償してと」言われた乗務員がいました。
その場合、会社の事故になるので会社に連絡をするなり、警察を呼ぶなりしてほしいです。その場で、お金を渡してしまうと会社側でお客様を追うことが出来ないので、その場しのぎの解決はしないようにと伝えています。
ー社内研修はどういった内容ですか?
宮下教授ー社内研修と同乗研修を含めて5日間ほどになります。運行管理者からのメーターの使い方ですとか、クレジット決済の仕方とかタクシーの操作をメインで研修をしています。
あとは、実際に乗務した後の納金の仕方、営業していくうえで東京特別区で単価がいいと言われている中央区、港区などで稼げる方法を研修しています。
ー具体的にどういった研修をされていますか?
宮下教授ー5日間の研修がある中で、例えば、乗務研修で羽田空港の行き方でターミナルが1・2・3あると思うのですが、そこが間違いやすくクレームが起きやすいので注意してほしいとか渋谷区、新宿を走る時はどの通りを起点にして左回りに回ってくださいとかを同乗しながら研修しています。
あとは整備の方から、車両の点検の方法、出向前、帰庫後の点検の方法、タイヤ交換の方法等を研修します。シートカバーを毎週交換するのですがその交換の方法なども習います。それを5日間で研修します。
あとは、弊社で実際に起きた事故のドライブレコーダーの映像を見せながら、「このような事故が起きました。どのようにしていたら防げたでしょう。」とかを動画で見せることによってよりリアルに研修をしています。
事故対策はどこの企業もしっかりされていると思いますね。弊社の場合、万が一事故を起こしてしまったときに再発防止のために社内での教育と自社で運営している金町教習所での指導を受けることが出来ます。
直接教習所の方から何が原因でこうしたら防げたよねということを指導してもらえることが強みです。
ー乗務を開始してから、もし稼ぎ方に不安が生じたり、色々と不安が出来た場合講習会などはしていますか?
宮下教授ー弊社では未経験の方等にはタコチャートというのを基に指導しています。タコチャートとは、今日はどのエリアを走ったとかどこでどれくらいスピードを出したなどがデータでわかるんですけど、そういうのが自動で印刷できるので、それを基に指導をしています。
あとは、それぞれが一日どういう営業をしているというのが確認できるので、例えば「このエリアに偏っている」とか、会社としては都心部で営業をして欲しいのに足立とかで営業をしていたりすると、「もう少し中で営業をしてください」ということを話します。
もう少しこういう風に営業をすると稼げますよというフィードバックは最初の1ヶ月位は毎乗務やっていますね。
ー御社でその指導をされるのはどなたですか?
宮下教授ー班長がやったり、社内研修で指導したものとかが行っています。このような機会があるので、結構新人乗務員さんから質問が出やすかったりします。
質問しやすい環境を作るように心がけています。弊社で小集団活動というのがあるのですが、足立営業所の乗務員が75名いるんですけど、14の班に分けていて、班それぞれに班長がいるのですがそこに新人乗務員がふるい分けされます。
そこで、例えば運行管理者に聞きにくいこととかを班長に聞いたりとか、乗務員同士の会話がしやすいような環境を作っています。乗務開始してからもなるべく不安がないようにできる環境を作っています。
ー経験者の方は研修の内容が変わるのですか?
宮下教授ー東京無線の研修の中身は変わらないですが、東京無線グループに所属していたかどうかで変わってきます。他グループでされていた方は東京無線の講習を受けてもらってからタクシーセンターで乗務員発行をしてもらうという流れになります。
東京特別区で乗務されるのが初めての方は地理試験も受けてもらいます。あとは、前の会社で使っていたメーター機と弊社が使用しているメーター機が違うと操作も違ってくるので、都度伺いながら操作の研修を行っています。
ー1番最短の研修ルートはなんですか?
宮下教授ー最短ルートは、東京無線にもともと在籍されていて地理試験も有効な方になります。直近で東京無線に所属されていた方だと東京無線の講習は最低1日の研修は受けていただく必要があります。
タクシーセンターの講習は2日間になります。ただ、10年前に東京無線に在籍していたなどブランクのある場合だと、もう一度講習を受けていただく必要があります。
ー研修費用が発生するのいつ頃からですか?
宮下教授ー都内のタクシー会社だと研修中の日当は1万円位が多いようですね。弊社は日勤の場合、日当1万円なのですが、地理試験の講習を受け始めるところからが対象になります。
ただ毎日出るわけではなく、稼働したときに発生するので、日数×日当1万円になります。ただ、地理試験に何回も落ちた場合は上限があります。
だいたい、養成の方ですと研修期間で20万くらいの支給になります。経験者の場合も日当1万×日数になります。二種免許の費用、地理試験の費用、研修中の日当、乗務開始後の給与保障はしっかりありますので、未経験で不安な方もまずはお気軽に相談してきてほしいなと思います。
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